夜勤で体内時計が乱れないようにするために サーカディアンリズムの重要性を解説
夜勤を続けていると、体内時計が乱れることで健康を害することが多くなります。体内時計が乱れないようにするためには、充分な睡眠時間とバランスの良い食生活、日中に日光を浴びることが大切です。
夜勤者だからこそ、体内時計を乱さないようにすることがとても大切なのですが、多くの方がそれほど重要だとは感じていないのも事実。今回は体内時計に関して、近年注目をあびている「サーカディアンリズム」とは何かを解説していきます。健康状態を保つためにも体内時計とサーカディアンリズムとは何かを知っておきましょう。
夜勤 体内時計
体内時計とは
まずは人間だれしも体の中に時計を持っているんです。これは体内時計よばれ、人が生まれながらに持っている身体リズムのことを言います。日中は体と心が活動状態になり、夜は休息状態になり眠くなります。朝の太陽光を浴びることでリセットされて、身体リズムを整えます。
夜勤者の方はこの体内時計がどうしても乱れてしまう傾向にあります。というのも、人間が通常寝ている時間に活動(仕事)をし、起きている時間に睡眠をとるからです。昼夜逆転の生活が続いてしまうと、体内時計が乱れてしまい、生活習慣病やさまざまな病気の原因となります。
体内時計に関してはこちらでも詳しく解説しています。
[blogcard url=”https://rawside.net/archives/306″]
体内時計の中でも24時間周期のものは「サーカディアンリズム」と言われています。
サーカディアンリズムとは
「サーカディアンリズム」は日本語では「概日リズム」と呼ばれていて、おおよそ1日のリズムのことをそのように言います。
2017年のノーベル生理学・医学賞で体内時計の研究において、受賞した米国の博士3人の研究により、体内時計と生活サイクルの不一致が健康障害にもつながるということが明らかになりました。体内時計の存在とその重要性が一般的にも知られるようになったのはこの時、つまり最近のことです。
サーカディアンリズムは人以外にもあるとされています。植物や動物などにです。ヒトの場合は24時間ではなく24時間15分から25時間周期になっていると言われています。つまり毎日1時間ずつ周期がずれているということになります。しかし、そのズレを感じることはなく、決まった時間の生活を行えます。というのも、「同調因子」というものがそのズレを調節しているのです。
日中に太陽光を浴びたり、今何時かを確認したり、朝昼夜の食事や通勤通学、運動などの習慣があることで、24時間の体のサイクルにリセットされています。同調因子がないと毎日1時間、生活サイクルにズレが生じるというわけです。
サーカディアンリズムが乱れるとどうなるのか
人のサーカディアンリズムは25時間周期で、同調因子のおかげで24時間周期になることがわかりました。では、それが崩れてしまった場合はどうなるのでしょうか。
最初に起こるのが、いわゆる時差ボケのような状態になります。
例えば「夜勤→次の日が明け休み→夜勤→次の日は明け休み→休みとなると、睡眠時間や寝つく時間が不規則になりますよね。休みの日は疲れているから寝だめする人も多いと思います。夜勤がある日、そして休日の睡眠時間帯の差が開いてしまうと、体内時計にズレができてしまい時差ボケの状態になります。この状態で仕事や勉強を行っても、パフォーマンスは通常よりも低下するという研究結果もあるのです。
睡眠障害はいくつかのタイプがあります。交代勤務者(夜勤者)に多いのが「交代勤務障害」です。勤務中に強い眠気に襲われたり、寝るべき時間に寝つけない症状がでます。中高生にみられるのが「睡眠相後退症候群」というもので、夜更かしなどで朝起きれずに、朝寝坊が多くなってしまう症状です。高齢者の方は「睡眠相前進症候群」というものが見られ、後退症候群とは逆の、夕方など極端に早い時間帯に眠気を感じて、夜中に目覚めてしまうというものです。
生活のリズムを整えるためにできること
サーカディアンリズムが乱れてしまう原因と結果がわかりました。では体内時計を正常に保つために、生活のリズムを整える、今日からできることを解説していきます。
就寝時間を決める
夜勤後、帰宅してからシャワーを浴びて、ゆっくり食事をして、テレビを見ながらのんびり、眠くなったら眠るということをしがちです。生活のリズムを整えるには就寝時間を同じ時間にしておくということが大切です。夜勤後の当日は明けで休みなので、寝ないで遊びに行く、もしくは寝る前にさまざまなことを行ってしまい、寝る時間が遅くなるということをやめましょう。就寝時間を同じにしておくことで生活のリズムが整います。
起床時間を同じにしておく
充分な睡眠時間とりつつ、毎日同じ時間帯に起きることを心がけることも大切です。休日だからといって、ずっと寝ているというのもよくありません。
就寝前に強い光を浴びない
就寝前に強い光を浴びてしまうと、体内時計が乱れます。スマホやタブレット、パソコンなど強い光を放つものは就寝の30分前には見ることを控えましょう。
日中に太陽の光を浴びる
前回の記事でも解説しました。体内時計をリセットするには日の光を浴びることが大切です。
[blogcard url=”https://rawside.net/archives/306″]
運動を習慣化する
日光を浴びると同時にウォーキングやジョギングなどの軽い運動を行いましょう。生活リズムも整い、なおかつ疲れない体もつくれます。